【Windowsのみ】AGX同梱外のPythonを使う
AGX DynamicsパッケージにはPythonインタプリタが同梱されており、通常、同梱のものが使用される。
AGX同梱のPythonはAGXを再インストールしたり、アップグレードすると削除される。PythonをIDEなどに関連付けていると毎回再設定が必要となるため、効率的ではない。
ここでは、外部のPythonインタプリタを使うための設定方法を説明する。
参考文献
動作確認環境
Windows 10 Pro
agx-2.39.0.1-x64-VS2022-double.exe
事前準備
特定のバージョンのPythonがインストールされていること(注釈参照)
PYTHONHOME
環境変数(python.exe
が配置されているフォルダパス)が設定されていること
注釈
AGXは特定のPythonバージョンのみに対応している。 Pythonバージョンは次のコマンドで確認する。
agxViewer --version
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AGX Library 64Bit AGX-2.39.0.1-865a8f9fbe by Algoryx;
Build type RELEASE; built Nov 26 2024 14:49:15
Built with Python version: 3.9.9
===
設定
設定には次の方法がある。
setup_env.batに環境変数を設定する
<AGX_DIR>\setup_env.bat
をテキストエディタで開き編集する。
REM 変更前
set AGX_USE_EXTERNAL_PYTHON=0
REM 変更後
set AGX_USE_EXTERNAL_PYTHON=1
おすすめ: 自身でAGXの環境変数設定バッチファイルを作る
setup_env.batに環境変数を設定する は setup_env.bat
の編集が必要である。
AGXを再インストールしたり、アップグレードすると、ファイルが削除されてしまう。
そこで、AGX以外の環境変数や設定をまとめて設定するためのバッチファイルを作る。
例えば、 agx.bat
という名前のファイルをパスが通っているところに配置しておくと、
コマンドプロンプトから agx
と入力して実行するだけで、AGXの環境変数を設定できる。
利点と欠点は次の通り:
setup_env.bat
を編集しないでよいPYTHONHOME
を恒久的に設定する必要がない。複数のPyhonがインストールされている環境に適している。.agxPy
ファイルをダブルクリックで実行した時には適用されない
@echo off
set MYPYTHONVER=Python39
set PYTHONHOME=C:\programs\Python\%MYPYTHONVER%
PATH=%PYTHONHOME%;%PYTHONHOME%\Scripts;%USERPROFILE%\AppData\Roaming\Python\%MYPYTHONVER%\Scripts;%PATH%;
set AGX_USE_EXTERNAL_PYTHON=1
REM <AGX_DIR>を実際のパスに置き換える
call <AGX_DIR>\setup_env.bat
setup_env.batに引数をつけて実行する
次のコマンドで setup_env.bat
を実行する。
<AGX_DIR>\setup_env.bat /USEEXTERNALPYTHON
WindowsメニューからAGX Dynamics Command Line (External Python)を実行する
Windowsメニューに AGX Dynamics Command Line (External Python)
バッチファイルがある。
これを実行すると、 PYTHONHOME
に設定されたPythonを使う。