旧: agxTerrainのパラメータ設定手順の紹介
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AGX-2.36.0.0にキャリブレーション方法が追加された。 この記事は古いので、次の記事を確認すること。
[agxTerrainReport2019] のagxTerrainのパラメータの設定手順を紹介する。 実施項目と順番を次に示す。

実試験による土のパラメータの取得
圧密試験、3軸圧縮試験、せん断試験から次の原位置の土のパラメータを取得する。

せん断試験シミュレーションによる粒子パラメータの同定
実試験で得られたパラメータを使い、粒子のパラメータを同定する。 同定にはNDEMによるせん断シミュレーションを使う。 せん断シミュレーションから得られる結果のパラメータセット から実試験で得たパラメータセットに近しいときの粒子パラメータを探す。
パラメータセットを次のとおり定義し、手順を以下に示す。
\(\rho_\mathrm{b}\) : 原位置の土密度 |
\(\phi_\mathrm{b}\) : 原位置の摩擦角度 |
|
\(c_\mathrm{a}\) : 土の粘着力 |
\(\psi_\mathrm{b}\) : 原位置のダイレイタンシー角 |
|
\(E_\mathrm{b}^{\mathrm{bulk}}\) : 原位置のヤング率 |
||
\(\rho_\mathrm{p}\) : 粒子の密度 |
\(\mu_\mathrm{p}\) : 粒子間の摩擦係数 |
|
\(\mu_\mathrm{pr}\) : 粒子間の転がり抵抗係数 |
\(c_\mathrm{p}\) : 粒子間の粘着力 |
|
\(E_\mathrm{p}\) : 粒子間のヤング率 |
- agxTerrain::Terrain::BulkPropertiesの一部のパラメータセット
- (47)\[\bm{p}_\mathrm{b} = \begin{bmatrix} \rho_\mathrm{b} & \phi_\mathrm{b} & c_\mathrm{a} & \psi_\mathrm{b} & E_\mathrm{b}^{\mathrm{bulk}} \end{bmatrix}\]
- agxTerrain::TerrainMaterial::ParticlePropertiesの粒子に関するパラメータセット
- (48)\[\bm{p}_\mathrm{p} = \begin{bmatrix} \rho_\mathrm{p} & \mu_\mathrm{p} & \mu_\mathrm{pr} & c_\mathrm{p} & E_\mathrm{p} \end{bmatrix}\]
手順
複数の粒子パラメータセット \(\{ \bm{p}_\mathrm{p}^n \} (n=1,2,..N)\) を準備する。
パラメータセット \(\{ \bm{p}_\mathrm{p}^n \}\) 毎にNDEMせん断試験シミュレーションをする。実試験で得たパラメータセット \(\bm{p}_\mathrm{b}^\mathrm{actual}\) と同様のパラメータセット \(\{ \bm{p}_\mathrm{b}^n \}\) を得る。
実試験で得たパラメータセット \(\bm{p}_\mathrm{b}^\mathrm{actual}\) とシミュレーションで得たパラメータセット \(\{ \bm{p}_\mathrm{b}^n \}\) の差が最小となる粒子パラメータセット \(\bm{p}_\mathrm{p}\) を見つける。
実機またはNDEMシミュレーションによるground truthな掘削抵抗力の取得
せん断試験シミュレーションで得た粒子パラメータセット \(\bm{p}_\mathrm{p}\) を使い、掘削NDEMシミュレーションを行う。 掘削NDEMシミュレーションから時系列の掘削抵抗力(貫入抵抗力、分離抵抗力)を測定する。

Groud truthな掘削抵抗力を基にagxTerrainの掘削抵抗力を調整
実試験、せん断試験シミュレーションで得た土と粒子のパラメータセット ( \(\bm{p}_\mathrm{b}^\mathrm{actual}, \bm{p}_\mathrm{p}\) )を基にagxTerrainシミュレーションを行い、時系列の掘削抵抗力(貫入抵抗力、分離抵抗力)を測定する。 Ground truthな掘削抵抗力とagxTerrainの掘削抵抗力が合うようにagxTerrainのパラメータを調整する。
