agxTerrainとFull NDEMの比較
[agxTerrainReport2019] のagxTerrainとFull NDEMによる掘削シミュレーションにおける計算時間、地形形状、抵抗力の比較結果を紹介する。
シミュレーション条件
全体図とシミュレーション条件を次に示す。

agxTerrain |
Full NDEM |
|
---|---|---|
CPU |
Intel Core i7-8700K, 6C12T, 3.7GHz, TB4.7GHz |
同左 |
使用スレッド数 |
8 |
同左 |
バケット速度(m/s) |
0.5 |
同左 |
タイムステップ(ms) |
1 |
同左 |
粒子サイズ(m) |
~0.1 (10cm) |
0.05 (5cm) |
粒子数 |
1000 |
200000 (20万) |
PGSソルバ反復回数 |
25 |
250 |
agxTerrainのパラメータはFull NDEMをリファレンスモデルとしてキャリブレーションする仕様である。 掘削抵抗力をFull NDEMと合わせるために、次のパラメータを調整した。
secondary separation deadload limit: 0.2
penetration force scaling: 2.0
aggregate stiffness multiplier: 0.1
計算時間
agxTerrain: 6/0.5=約12s。 リアルタイムで計算。
移動距離6mとバケット速度0.5m/sから計算時間を推測
Full NDEM: 12x2000=24000s=約6.7時間。agxTerrainの約2000倍。
掘削後の地形
掘削後の地形の高さを表したヒートマップ画像を 図 16 に示す。 粒子数と粒子サイズが異なるため、形状に差があるが、掘削深さと両側の盛り上がりの形は近しい。 上方の盛り上がりはFull NDEMのほうが大きい。 掘削量の差は約10%であった。

図 16 地形の高さヒートマップ
バケットにかかる掘削抵抗力
バケットにかかる掘削抵抗力を 図 17 に示す。 地形と同様に計算モデルとパラメータが異なるため、波形に差がでているが、 概形と力の大きさはパラメータの調整により、傾向が捉えられている。 ただし、掘削開始時の力の立ち上がりがFull NDEMのほうが早かった。

図 17 バケットにかかる掘削抵抗力